小売店の補助金

小売店の採用・人材に使える助成金|正社員化・賃上げ・研修

パート・アルバイトを社員にする、時給を上げる、接客や在庫管理の研修を行う。人に関する支援は補助金ではなく助成金で、要件を満たせば原則受け取れます。ただし全て「先に計画を出す」制度です。公式情報で整理しました。

2026-08-01 | 編集部

所管厚労省
最終確認2026-08-07
構成8章 / 読了 約3分
出典5本(すべて一次情報)
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レジや品出しをパートで回している、長く働いてくれる人を社員にしたい、最低賃金の引き上げに毎年追われる——小売店の人の悩みを支えるのは補助金ではなく助成金です。要件を満たせば原則受け取れる一方、全て「先に計画を出す」制度という共通点があります。

本記事の制度情報は2026年8月1日に厚生労働省の案内ページ・支給要領を確認して記載しています。要件・金額は年度ごとに見直されるため、申請前に原文で最新版をご確認ください。

BASIS01前提──雇用保険に入っていること

ここで扱う3制度は、いずれも雇用保険適用事業所の事業主であることが入口です。ひとりで営業している店、同居の親族だけで運営している店は、いずれも対象外になります。

パート・アルバイトでも、週の所定労働時間などの要件を満たせば雇用保険の被保険者になります。人数ではなく被保険者がいるかどうかが分かれ目です。

SEISHAIN02パートを社員にする──キャリアアップ助成金

有期雇用のスタッフを正社員に転換したときに支給される制度です。小売店はパート・アルバイトの比率が高い業種なので、使える場面が多くあります。

支給額1人あたり40万〜80万円(中小企業の重点支援対象者は80万円)
対象有期雇用から正社員への転換
締切通年。ただし計画は取り組み実施日の前日までに提出
所管厚生労働省
  • キャリアアップ計画を先に出す──転換してから申請することはできません
  • 賃金を3%以上増やす──転換後6か月の賃金が、転換前6か月と比べて3%以上
  • 支給申請は6か月後──転換して6か月分の賃金を支払ってからの申請です

制度の詳細はキャリアアップ助成金で正社員化で扱っています。

WAGE03最低賃金の引き上げ──業務改善助成金

小売店は最低賃金の影響を最も受ける業種のひとつです。毎年の引き上げに合わせて賃金を上げる際、あわせて設備投資を行うとその費用の一部が助成されます。助成率は3/4または4/5です。

セルフレジやPOSの導入で人手を減らしつつ賃金を上げる、という組み合わせが現実的です。設備側は小売店の設備投資に使える補助金にまとめています。

上限額のカッコ内の高い金額は事業場規模30人未満の事業者のみが対象という注記が交付要綱にあります(別表第1 第5欄)。また実質の締切は都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日で、県ごとに違います。引き上げの前に申請する必要があるため、発効日から逆算して動くことになります。

TRAIN04研修を行う──人材開発支援助成金

接客、在庫管理、販売管理システムの操作などの訓練にかかる訓練費と、訓練中の賃金の一部が助成されます。コースが複数あり、率・上限はコースによって変わります。

  • 事前に計画届を出す──訓練を始めてからでは申請できません
  • 就業規則が要る──常時10人以上は労働基準監督署に届け出た就業規則が必要です
  • 10人未満でも書類が要る──届出済みの就業規則、または労働者代表の氏名等を記載した申立書を添付した就業規則

ORDER05共通する落とし穴は「順番」

補助金は「交付決定の前に発注しない」が最大の注意点でしたが、助成金は「実行の前に計画を出す」が同じ位置にあります。どちらも、やってしまってから申請することはできません

特に業務改善助成金は、最低賃金の発効日に自動的に引き上がってしまう前に申請を終えている必要があります。毎年10月前後に発効する県が多いため、夏のうちに動くのが現実的です。

DIFF06補助金と助成金の違い

助成金は要件を満たせば原則受け取れます。補助金は予算の枠があり、審査を経て採択されるかが決まります。人に関する支援は助成金が中心で、設備や販路開拓は補助金が中心です。違いの詳細は補助金と助成金の違いで扱っています。

FAQ07よくある質問

Q. パートしかいませんが使えますか?
A. 雇用保険の被保険者であれば対象になり得ます。週の所定労働時間などの加入要件を満たしているかを確認してください。
Q. 最低賃金が上がったあとでも業務改善助成金は使えますか?
A. 引き上げ後に申請することはできません。発効日より前に交付申請を済ませ、交付決定を受けてから引き上げる順番になります。
Q. 家族だけで営業しています。使えますか?
A. 同居の親族は原則として雇用保険の被保険者になりません。そのため、これらの助成金は対象外になることが多い形です。
Q. 社員にした後で気づきました。今からでも申請できますか?
A. できません。キャリアアップ計画は取り組み実施日の前日までに提出する必要があります。次に転換する方から、順番を守って進めることになります。

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